「……なに言ってんだよ。一緒に帰るんだろ」
彼は諦めない。
もう一度足に力を入れると、今度は立ち上がる。
浮いた私の体。
彼が私の足に手をまわす。
立ち上がれてもふらふらしてる体。
いつ倒れてもおかしくない。
「……ごめんね。私、きっともうダメなの……」
自分の終わりっていうのはなんとなくわかってしまうもので……。
体がどんどん冷えていって、私はもうすぐ死ぬんだと思った。
解毒剤を手に入れて飲んだとしても、もうここまで毒がまわっては助かるかもわからない。
「おまえは死なねぇよ。解毒剤、なんとしてでも奪うから安心しろ」
「……暁、」
「美鈴は死なねぇから。おまえは弱気になるんじゃねぇ」
とまったエレベーター。
1階へと到着した。