ずっしり伝わってくる彼の重さ。
重くて足がプルプル震える。
暁は私より背も高いし、筋肉もあるから重いのは当たり前。
こんなことになるんなら、暁を支えられるように筋トレでもしておけばよかったな……。
でもバイトをはじめたから、前の私よりは体力も筋肉もついたはず。
負けるな私。
その重さに負けないように、ぐっと足に力をいれて歩き出す。
暁は私になにか言ってるけど無視。
彼の体を支えて扉へと行けば……
「さよなら、日南美鈴」
部屋を出る間際に背後から聞こえてきた声。
私はその言葉に振り向かずに部屋の外へ。
誰かを支えて歩くのは思うように進めない。
足がふらふらして、気を抜いたら転びそう。