立ち上がろうとする彼だけど、途中で力が抜けてぐったり。
麻酔を2回も打たれたみたいだからうまく力が入らないんだ。
「暁、私につかまって」
私は彼の右腕を自分の肩にまわす。
立ち上がろうとするが、彼は私の手を振り払って……倒れていく彼の体。
床に倒れる直前で、私は彼の体を支えた。
「犬飼真帆……!」
暁が大きな声を出して女の子に目を向ける。
「なぁに?ダーリン。やっぱり私と一緒にいたい?」
「美鈴1人でもこっから出られたら解毒剤よこせ……!」
「ダーリンの頼みならいいよ。日南美鈴1人だけでもここから出られたら解毒剤をあげる」
そう返事がかえってくると、暁は私に目を向け口を開く。
「美鈴、──」
「ヤダ」
すぐに遮った。