今いるのは高層ビルの最上階。
ケガしてる暁の体を支えて、5分以内でこのビルから出ることができるだろうか。
いや……なんとしてでもやるしかない。
5分以内にここから出てやる。
「私たちが逃げ切れたら、一条組にはもう関わらないで」
じっと見つめると……
「わかった」
確かに聞こえた返事。
それを聞いた私は、すぐに暁の手足に巻き付けられている鎖に触れた。
「美鈴……!飲んだもん今すぐ吐け……!」
鎖をはずしていれば彼は必死に言う。
「私は大丈夫だよ」
「美鈴……!!」
「今鎖はずすからね。一緒に帰ろう」
足の鎖をはずし終えたところで、見えた彼の足首。
両足とも鎖のあとがついて赤くなっていたけど、右足首は……青紫色になって腫れていた。