「んんっ」


私を見て、一生懸命なにか伝えようとしてくる暁。


私は彼の横に座ると、暁の口元に貼ってあるガムテープをべりっとはがす。




「美鈴、それはおまえが──、」



透明な液体が入った試験管に口をつけて。
私はそれを自分の口に含み、暁と唇を重ねた。


「やめ──」


動こうとする彼。
私は彼が逃げないように両手で彼の頬を包み込んで固定。



お願い、ぜんぶ飲んで……。
少しもこぼさないで……。


強く押し当てた唇。
薄く開いた口の間に舌を差し込んで、自分の口内にある液体を彼の口内へと移していく。




ごくごく動く彼の喉。

自分の口の中に液体がなくなれば、そっと離れる。



「暁のことは諦めて」


私は犬飼真帆を見て声を出した。