「……こっち、本当に解毒剤?まさから2本とも毒だったり……」


私は透明な液体が入った試験管に目を向ける。


「そんなに疑うなら私が今ここで舐めてもいいよ?」


どうする?、と付け足して聞かれた。


……犬飼真帆が暁を好きなら、生かしておきたいはず。
片方は本当に解毒剤の可能性が高い。






これが思いの証明になって、犬飼真帆が暁を諦めてくれるなら……

暁を返してくれるのなら……



私に迷いはない。




紫色の液体が入った試験管に口をつけて、一気に飲んだ。


一滴残らず飲み干して。
口の端から垂れた液体を手で拭うと、私はすぐに暁の元へと向かう。