「犬飼組にようこそ、日南美鈴。まず、ここに1人で来たことは褒めてあげる」


声のしたほうへと目を向ける。
目が合えば、にこりと笑った女の子。



その笑顔がすごくムカつく。
手が出そうになるから、抑えるためにさらに強く自分の拳を握る。



「……暁を返して」


怒りで落ちた声のトーン。
ギロリと目の前の彼女を睨みつけた。



「そうね、さっそくだけどゲームでもしよっか」


あれをとって、と女の子は半歩後ろにいた黒服姿の男性2人に目を向ける。


そして、黒服姿の男性が渡したもの。
それは……試験管立て。



数本の試験管が立ててあって女の子は紫色の液体が入った試験管を手に取った。