そんな皆を二人はつまらなそうな目で見ている。
時は12月。
受験シーズン真っ只中。
皆やることは勉強しかない。
勉強しか許されない。
………っていう時期なのに。

コイツラは余裕こいてバスケ雑誌眺めてるし。

『あの…森君。森君、ドコの高校に行くの??』

突然、女の子を後ろに二人引き連れた真弓ちゃんが健司の肩を叩いた。
健司は曖昧に肩をすぼめてみせた。
『分かんない。まだきめてないんだ。どうして?』

『うっ、ううん。別に、特に意味はないの。ただ、聞いてみただけ。それじゃっ。』

真弓ちゃんがしどろもどろになりながら健司から離れていった。