『桔平は??桔平…元気?』

か細い手を俺の頬に添え、見つめる瑛梨。

反則だよ、瑛梨。

別の男の名前呼ぶなんて…

例え桔平でも。

『馬鹿みたいにがむしゃらに練習してるよ、毎日毎日。』

止めた。
俺は、ベッドから降りる。

止めた止めた。

泣き顔は見たくないような気がした。


『無理しないで、って言って??』

瑛梨が呟く。
そんなの…そんなこと。

『自分で言えばいいじゃねぇか。』