「おいっ。朱雀っ!」

流青は朱雀の腕を引っ捕まえる。

俺に…どうしろって、俺だって…わっかんねぇよっ!!

と…言いかけたが、

同時に、こめかみを押さえて〝痛っ…っ…〟と顔を歪ませて俯く流青に、朱雀はハッとした。

「リュウ…?おいっ…大丈夫かっ。」

半歩ほどよろける流青に、朱雀は捕まれた逆の腕を差し伸べる。

「………なんでもないよ。」

身体を支えるようにする朱雀の腕を流青は軽く弾いた。

「……なんでもないって事ないだろっ!お前、すんごい汗じゃん…。」

「なんでもないっ…!」

心配して顔を近づける朱雀から身体をそむける。

「顔色…悪いよ。流青……っ!」

「ただの頭痛だよ。持病っていうのかな。そんなに深刻なものでもないし、小さい頃からだから…薬を飲めば治るんだ。」