この間の料理の件もあり、頼くんは混ぜる係


さっきから、粉が飛び散ってるのが気になる


「頼くん、優しくかき混ぜて」


「優しくってどーすんだよ」


「ゆっくり、こうするの」

頼くんの手を握ったまま、かき混ぜる


「ね?飛ばないでしょ?」

あっ、顔に


頼くんの頬っぺに生地が飛んでる


「ふふ。何でこんなとこについてるの?」

私が手を伸ばして拭くと


「知らねーよ」

そう言って顔を赤らめる


「頼くん照れてるー」

琴葉ちゃんが頼くんを見て笑ってる


いつも、頼くんが意地悪する側だから


なんか、新鮮だなぁー


ホットプレートを出して生地をひく


「琴葉ちゃん上手だね」

すんなりひっくり返す琴葉ちゃんに驚く


「お兄ちゃんに良く作ってあげるの」

嬉しそうな顔を見ると、私まで嬉しくなる


出来上がったパンケーキにトッピングをしていく


私と琴葉ちゃんはホイップいっぱいの甘いの


頼くんはシンプルな蜂蜜とバター


甘すぎるのは無理なんだって


他のみんなにも作ろうとしたけど


あいつら帰ってこないと頼くんが言うから


また作ろうと琴葉ちゃんと約束をした


時間がだっても琉生くん達が戻ってくることは無く


琴葉ちゃんは


「じゃーね。妃奈お姉さん」

親が心配するからと頼くんが送ることになった


「妃奈。絶対ここから出るなよ」

言い聞かせるように言う頼くん


「何回も聞いたよ。大丈夫、琴葉ちゃんまた遊ぼうね」

手を振って、お別れをした


外出るなって、何かあったのかな?


帰ったら、みんなに聞いてみよう