朝の7時…


あれからもう1ヶ月が過ぎ


私は、今凄く困っている


「大丈夫…大丈夫…」


そう小さな声を出して、校門から少し離れた


裏路地にしゃがみこみ、心を落ち着かせている


佐伯さんが車で送ってくれたまでは良かった


車だと目立つと思い、裏路地で車から下りたのが間違いだった


校門には、登校中の学生が沢山


見るだけで、震えが止まらない


心を落ち着かせ、よしっと立ち上がった瞬間


「大丈夫?」

後ろから男の人の声がした


振り向くことは愚か、震える手で


スカートを強く掴む


「本当に大丈夫?」


まだ声をかけてくる男の人


何か言わないと…と思うのに頭が真っ白で


声が出せない


すると、私が返事をしないから


回り込んで顔を覗こうとしてくるその人


もう耐えられなくなり


「ッ?っえ?ちょっと…」


気づいたら走り出していた