過去の事が頭に過ぎるけど…


みんなが見てるのは私じゃないってすぐに分かった


だって、4人が歩くと道ができて


かっこいいって声が聞こえてくる


でも、4人とも慣れてるのか


気づいてないのか、全く気にしてない様子


何食べるかに興味津々


「妃奈何食べたい?」

いつの間に買ったのか、たこ焼き片手に琉生くんが聞いてくる


でも、私の目線は


「たこ焼き美味しそう」

湯気がたってる出来たてのたこ焼き


その匂いで、さらに美味しそうに感じる


「食べる?」


「いいの?」

勢いよく返事をする私にははっと笑う


「ん。熱いから気をつけてな」

爪楊枝に刺したたこ焼きをあーんと私の口元に持ってくる


「いただきます」

ふーふーして、パクリ


「うわぁ。おいしっ…ありがと」

ホクホクで凄く美味しい


するといきなりキャーと大きな声がして


驚いて振り返ると


あーんしたよ。と声が聞こえてくる


あーん?…っ。


その言葉で今更ながら、食べさせてもらった事に恥ずかしくなる


ちらっと琉生くんをみると


気にする様子もなく普通にたこ焼きを食べてる


あっ、かんせつ…キ、ス


もー。気づかなかったら、何も思わなかったのに


何故か、周りの声もあってか凄く恥ずかしい


手でパタパタと熱がこもる顔を仰いでいると


「あつい?」

朝陽くんが首を傾げて心配してくれる


「な、なんにもないよっ」

声が裏返ったけど、甘いもの食べようと朝陽くんのシャツを引っ張る