「はいこれ」

沢山の折り紙を渡す朝陽くん


「沙恵さんから、妃奈ちゃんも生徒なんだから、文化祭に参加しなさいって」

理事長さん…


「ありがとう」

私たちはみんなで、飾り付けに必要な花や風船などを作る


突然真後ろでパンっと大きな、風船が割れる音が鳴る


びっくりして振り向くと


頼くんがくくっと笑っている


「ごめん。くくっ、わざとじゃねーよ」

頼くんの手に目を向けると


「わざとでしょ。その手に持ってるの、針だよね?」

バレた?と言いながら、くくっとまた笑う


「頼ー。あんまり、妃奈ちゃんいじらないの」

おいでと手招きをする朝陽くん


「はい、これ」


「これ!新作のいちごのチョコレート。ありがとう」

食べると、口に広がるいちご味


「ほんっと。美味しそうに食べるね」

と微笑む朝陽くん


あっ、


「いつもこのピアスつけてるよね」

綺麗な青色のピアスを指さす


「まーねー」

誤魔化すような、これ以上突っ込んで欲しくないような


そんな表情をするから


気になったけど、気づかない振りをした