「でも、小学生になってさ、琉生に会ったんだ


教室では誰とも話さないし、何考えてんのか分かんねーのあいつ


俺は、親がいる家には帰りたくなくて毎日夜中まで時間潰し。そんな生活してたら、運悪く悪い奴に絡まれて、ボコボコにやられてさ


そしたら、何やってんの?って琉生が近づいて来て、あっという間にやっつけて


傷だらけの俺見て、お前弱いなって言ってきてさ


すげー悔しかったなぁー


それからはずっと琉生の後ろついて


いつかはこいつ倒すんだーって


琉生のおかげで、俺の人生充実し始めた


まぁ、今はまだ勝てねーけど、いつかは勝ちてぇーんだ」

あんまおもしれぇ話じゃねーけど、俺の過去と嬉しそうに言う


「立花くんは強いね」

気がついたらそんな言葉が出ていた


「あ?そんな事ねーよ。まだ弱っちぃ」

くくっと笑う


「東条さんに勝てるといいね」


「おうよ。いつかはぜってぇー勝つ。つーか。友達何だから、頼でいい」


「?」

頭に?マークが浮かぶ


「だぁーから、頼って呼べよ」

ふぇ?奏くん以外で呼んだことないのに…


「よ、より…くん」


「どもってんな。ひな」

笑いを堪えられてない頼くんを睨む


私たちの距離は前よりも縮まり、お互い名前で呼ぶようになった


そして、過去を乗り越えて、強くなろうとする頼くんを見て



私は勇気を分けて貰った


そんな気持ちになった