「俺んちさ、金持ちなんだ。


羨ましいとか皆言うんだけどさ…


俺は普通の家庭に産まれたかった。


別に、悲しい話とかじゃねーよ?」

そう言う、立花くんの瞳が揺れる


「4つ上の兄貴がいんだけど、何でも出来んの


小さい頃からの俺の憧れ


いつもさ、俺の事可愛がってくれて


色んな所連れてってくれて


楽しかったなぁー」

凄く嬉しそうに、思い出すように話す


「金持ちってちーせぇー頃から、勉強だのなんだのってよくあんだろ?


うちの親典型的なあれで、兄貴の邪魔すんなとか。まぁ色々…


それでも、あの頃は…兄貴に会いたくてバレないように会いに行ってさ


そのせいで、兄貴は怒られ部屋に監禁状態…


それで、会いに行くのやめた


そしたら、気づいたんだよなー


あれ?俺って親に愛されてねーんだって


だって、まだ小学生にもなってない子供を放置だぜ?


心配させようと思ってさ、5歳の時10時まで家に帰んなかったの、そしたら帰ってきた俺を見て


あー。帰ったの?あまり家の恥晒さないでちょうだい。だって」

笑いながら言う立花くんは無理してるようにしか見えないのに


何故か…一変して嬉しそうな顔になる