今日は行けないからと奏に頼まれ、3人で妃奈のところに向かう途中

「あそこうるさくね?」

頼の声にその方向を向くと


周りの状況に目を向ける


今日から、部活始まってんのか


ってことは…まさかっ


嫌な予感がして人だかりに向かって走る


目の前には痛々しいほど、弱った姿の妃奈


肩に目を向けると掴んでる手が見える


「手、離せ」

そいつは俺を見るなり


「と、東条琉生ッ」

と俺の名前を呼んで逃げていく


目の前の妃奈を抱えあげる


「大丈夫。俺らがいる」

妃奈は安心したのか、意識を手放した


俺がもっと早く気づけば…なんて後悔しても遅い


頼と朝陽が野次馬をはらったんだろう


周りにはいつの間にか人は居なくなっていた