ぼーっと歩いていたから気づかなかった


入学して1ヶ月たったから


朝の部活動が再開していたことに


知らない人がたくさん…


急ぎ足で旧図書室に向かう


目の前に私以外の影が映る


「ねぇねぇ、可愛いね。1年?」

知らない人に話しかけられた事にまた、頭が真っ白になる


やっと3人と話せるようになれたのに


また、ダメになる…


返事をしない私にイラついたのか


肩を掴まれ、震えと肩の痛さに蹲ると


騒ぎに気づいたのか、周りが集まってくる


人の声と目線に過去の事が蘇り


耳を塞ぐ…誰の声も聞こえなくなるくらい強く




誰か、助けて…


そう心の中で思ったのと同時に体が浮かぶ


誰かの腕の温もりを感じる



耳元で


「大丈夫。俺らがいる」


その声に安心して意識を手放した