あれから数日後俺たちは図書室に来ていた


俺の目にはソファーに座る奏に抱きつき


震えている小さい女の子が映る


落ち着かせるように大丈夫だと


背中を摩る奏


困ったように見つめる朝陽と頼は


部屋に入ろうとはせず立ち尽くしている


俺は2人の間を通り


震えている子の前にしゃがむ


奏の胸に顔を押し付けているせいで


顔は見えない


「大丈夫。俺らは何もしない。ただ、妃奈と仲良くなりたい」


俺の言葉にビクッと反応する妃奈


「あ、あ…っ」

何か言いかけて顔をあげる


目が合うとまた、奏の方を向いてしまった


俺は不覚にも眉を下げ大きな目に


いっぱいの涙をためる妃奈を見て


可愛いと思ってしまった


すると、いきなり妃奈が立ち上がりノートを


持ってソファーの後ろにしゃがみこむ


朝陽と頼も気になったのか


入って来て床に座る