「ひな、奏呼んできてくれるか?」

琉生くんに言われて、ソファーから立ち上がる


「うん。呼んでくるー」

トントン


「入るよー?」

ベットに近づくと、珍しくぐっすり寝ている


昨日遅くまで起きていたのかな?


綺麗な顔してるなぁ〜


奏くんには、妹のように思われてると思ってたから、恋人になれたなんて夢見たい


顔に手を伸ばすと


「…っ」

伸ばした手を掴まれてびっくりする


「起きてたの?」


「ん?ふぁ〜。今起きた」

欠伸をしながら体を起こす奏くん


「ふふ。寝癖ついてる」

いつもしっかりしてる彼の緩い1面


私の手を掴んでいた手が頭に移り


微笑みながら、私の頭を撫でる大きな手


「幸せだなぁ〜」

私が呟くと


頭に置いてある手と逆側の手が私の腰を引き、奏くんの温もりに包まれる


「僕も幸せ」

いつもよりも低くて、かすれた声だからよりドキッとする


もぅ、心臓に悪いよ


1人もたもたしていると


「ひな」

名前を呼ばれ顔を上げると、奏くんの目元が緩むから、ドキドキが止まらなくなり


「あっ、琉生くんが呼んでたよ」

誤魔化すように、話を逸らす


奏くんは笑い、行こっか。そう言って、私の手を取りリビングへ向かう