パァン


ピストル音の合図で体育祭が始まる


私が出る種目は3番目だから、まだ先


私たちが座っているテントの近くには人がいない


蘭流の幹部は人気で人が集まってしまい、体育祭にならないから、クラスのテントとは別になっているらしい


「100メートル走出場者は集まってください」


「あっ、俺だ!行ってくる」


「頼ファイトー」


「勝てよ」


「頼くんがんばって」


「分かってる。任せろ」

頼くんやる気だ


私は運動神経悪いから、応援を頑張ろう


競技が始まり、歓声の声が聞こえてくる


「あっ、頼くん次みたい」

長袖を腰に巻いて、ハチマキは首にぶら下げてる


みんなが体操服着てるの初めて見たけど


やっぱり、見慣れないな


「より〜」

朝陽くんの声が響く


「頼くんがんばれ〜」

私たちの声に気づき、手を振る頼くん


ピストルが鳴り、走り出すと


圧倒的な速さで、頼くんの足の速さに感心する


「すごーい」


「はは、頼は足速いからねー」


「俺も頼には勝てないな」

琉生くんも勝てないんだ


頼くんを見ると、こっちに向かってピースサインをしてる


頼くんの人気もあってか、女の子の声援が凄く聞こえる


「ひなちゃんは何に出るの?」


「借り物競走だよ」

みんなの顔が引つる


「借り物選んだの?」

奏くんの驚いた声に頷く


「足遅いから、役に立てそうな競技が他になかったの」


「変なの出ないといーね」

朝陽くんは笑顔を見せる


私大変な種目を選んでしまったのかな?