「ありがとうございます…ずっと悩んでいたので、スッキリしました」


「その相手が私の息子2人のどちらかだと良いんだけど」


「…っ」


「もしかして…嬉しいわぁ。いい結果聞けることを願ってるわ」

完璧にバレてる


さすが、琉生くんのお母さんだ


「そういえば、奏くんの苗字はなんで相原のままなんですか?」


「あら、聞かなかったの?あの子ね、うちの息子になる時に言ったのよ。僕は名前変えないって、変えちゃうとずっと頼ってしまいそうだからって」

ずっと、気になっていたけど、奏くんには聞けなかった


「奏くんらしいですね」


「こっちは、もっと頼って欲しいんだけどね、子供の頃からしっかりしていて、全然甘えてくれないのよ」


「奏くんが沙恵さんの息子に慣れて良かったです。私の所で養子にはなりたくないって、聞いてくれなくて…安心しました」


「まぁ、そうだったの?奏も可愛いところあるのね」


「?」


「何の話してるの?沙恵さん」

ドアの方を見ると奏くんが立っていた


「あら、ダメだったかしら?」


「もういいよ。ひな、みんな探してたから、スマホの返事はしてよ」

スマホを見ると、凄い着信がきている


沙恵さんと女子会をする事が急に決まったから、連絡するのを忘れていた


「忘れてた。ごめんね」


「うん、大丈夫。話は終わったの?」

私を立たせると、理事長室の廊下まで連れていく沙恵さん


「じゃあ、ひなちゃんをよろしくね」


「え?」

沙恵さんは私にウィンクをすると、理事長室の扉を閉めた


突然始まって、突然終わった女子会


でも、私にとってはとても意味のある女子会になった


ありがとう、沙恵さん