「はぁ?何それ?強い絆で結ばれてるってか?あー、ほんとにムカつく」


「った」

私の髪を掴み引っ張る雪白さん


「雪白やめろ」


「ほら、そうやって僕の名前も読んでくれない。僕の何がダメなの?そこの3人よりも僕の方がいいでしょ」


「お前は俺に助けを求めていない。今も昔も、初めて自分の言いなりにならなかった俺を特別視してるだけだ」

琉生くんの言葉に私の髪の毛を掴むのを辞める


「じゃあ、僕が蘭流に入るのダメだって言うのは?」


「蘭流は雪白の居場所じゃないだろ」


「僕の居場所?」

雪白さんは怜央さんたちの方を見る


「確かに、小さい頃俺らは一緒に居ることが多かった。でも、俺には守りたい奴らができた。雪白も同じだろ。なら、見捨てるなよ」

さっきまでの殺伐とした空気から一変している


「僕が今まで邪魔したのを何も言ってこなかった。僕のこと無視してた」


「邪魔?あぁ、あれは俺も困ってたから助かってた。無視してた訳じゃない」

小学生の喧嘩の仲直りを見ているみたいだ


「それと、今更名前呼びとか慣れないだろ」


「はあ!?そんな事?僕が今までどんな思いで、、、っ」

雪白さんが私に目線を向ける


「はー、悪かったよ。姫ちゃん本当は、琉生たちと一緒居たいってさ」


肩を落とし、帰る。そう言ってドアへと手を伸ばす


「ちょっと待て」

琉生くんの言葉に足を止める雪白さん


雪白さんの振り向く顔に思いっきり拳を入れる琉生くん


「総長!」

雪白さんに駆け寄る氷刃の人達

「大丈夫、何もするな」


「今回はこれで許す、だけどな次俺の仲間に手出したら、容赦しない」


「分かってる。もう、手は出さないよ。あ〜でも1つだけ。姫ちゃん、僕まだ認めたわけじゃないから」

それだけ言い残し、氷刃は去った