「るーいー」

視界が涙でぼやける


「そんな顔しないでよ。遅いから、待ちくたびれちゃったよ」


そう言って私の髪の毛を指に巻き付けて笑う


「ひな」

奏くんの声だ


顔を上げると、耳元で雪白さんが


「お別れの言葉は?」

みんなに聞こえないように言うと、口のガムテープを剥がす


「…っ」

みんなに嫌われるような言葉…


「こ、来ないで」


「ひなちゃん?」


「おいひな。何言ってんだよ」


「ひな帰ろう」


「待ってろ、今助ける」

優しいみんなの言葉に辛くなる


唇を噛み締め


「私は探さないでって、言ったよ?もう、皆と一緒に居たくないの。だから、帰って、よ」

本当はこんな事言いたくない…


「だってよ〜。僕はただ、琉生たちと離れる機会を用意してあげただけ」


「嘘だ。ひな、雪白に言わされてるんでしょ?」


「奏くん本心だよ」


「ひ、な?」

私の言葉に目を見開く


「雪白、妃奈を巻き込むのはやめろ」


「何言ってんの?姫ちゃんの本心だよ。ね?」

雪白さんの言葉に頷く


「、、、っ」