階段を駆け上がる声が聞こえる


「総長、妃奈さんが」

その声に俺だけで無く、みんなが反応する


「妃奈がどうした?」

静かに差し出されたスマホには一枚の写真


雪白のとこの副総長が妃奈を抱えてる姿


眠らされてるのか、ぐったりしている


くそっ、また俺は妃奈を守れないのか


握りしめる拳に力が入る


妃奈が巻き込まれたのは俺のせいだ


「ひな…」

奏の辛そうな顔が視界に移る


「場所は」


「西区の離れの倉庫に向かったそうです」

あそこか、、


みんな行くぞ


そう声をかける前に立ち上がり、バイクへと足を進める奏たち


俺らはバイクに跨り、速度を上げる


頼むから間に合ってくれ


着くと、不気味なぐらいに静かだ


あいつ何を企んでるんだ?


急いで倉庫へ足を進める


ドアを開けると、そこには


縛られて涙を流す妃奈の姿


胸が締め付けられるように痛む


クソっ、俺は、、


隣を見ると、怒りが抑えられていない3人


今にも殴りかかりそうだ


そうか、朝陽と頼もひなのこと…


俺は3人の前に立ち、落ち着かせるように


「大丈夫だ」


と呟いた