「ん?」

目を開けると、手足が縛られて動けない


薄暗い倉庫のような場所


「起きたー?おはよう」


「な、なんで?」


「あれ?まだ気づかない?騙されたんだよ、姫ちゃん。元から、琉生を呼び出すための囮なんだよ。あんたは」


「それって、」


「本当は、このまま琉生達が動かなかったら何もしない予定だったけど、腹立つ事に姫ちゃんの事嗅ぎ回ってたから、予定を変更したんだ〜」


静かにしてね、そう言って私が喋れなくなるように口にガムテープを貼る


「あ、そうだ、琉生に近づくと蘭流を潰すってのは本当の事だから、これが終わったら姫ちゃんは僕と琉生達の前からちゃ〜んと、消えるんだよ」

その言葉に私は頷くしか無かった


まさかこんな事になるなんて


私はまたみんなとお別れしないといけないの


そう思うと会いたくない


目尻が暑くなる


「総長、外に蘭流のやつらが」

雪白さんはその言葉に口角を上げる


バン


「妃奈!」


その声に、4人の姿に、今まで抑えていた涙が溢れ出す