「今日で3日目だね〜」


あの日から私は、家には帰らずに雪白さんの家にいる


特に何もされず、ただマンションの最上階で外には出ることが出来ずに、ずっとパソコンと睨めっこ状態


「私はいつまでここに居るの?」


「んー、もっと早く気づくと思ってたんだけどね、やっと流生達に動きがあったみたい。だから、もう少しかな?」

ああ、私の手紙に気づいたのかな?


みんな怒ってないかな、私の事嫌いになってないかな…

「ゆ、雪白さんは流生くん達と敵対してる訳じゃないんですよね?」


「まぁ〜ね、僕は流生を潰したくないしね。ただ、姫ちゃんみたいな子が近くにいるのが許せないだけ」

もしかして…


「る、流生くんのこと」


「はははっ、違うから、まぁ間違ってはないけど、流生は僕の憧れなんだよ」

憧れ…?


「流生の隣に居ていいのは、強くて、流生を助けられるような子だけ、だから僕は権力目的で近づく子は全て排除してたんだけど、どっから近づいたんだよ」

とため息を漏らす


「そんなの、ゆ、雪白さんは勝手すぎるよ。流生くんの人生なんだから、雪白さんが決める事じゃない、と思います…」


「はぁ?」

買い物の時と同じ敵意むき出しの目に、ビクッとする


「ほら、少し睨んだだけで、こんなにビクビクしちゃってさ、弱すぎるよ」

拳を強く握りしめる


「私は確かにまだ弱い。でも、前よりも強くなれてる。雪白さんも琉生くんに憧れてるなら、琉生くんが弱い人を助ける人だってこと分かるでしょ?私をどんなに嫌ってもいいの。周りの人を、琉生くんの大切な場所を壊したり、囮に使うのは間違ってるよ」


「…っ、、なんなのあんた。ほんと生意気」

たぶんこっちが雪白さんの本性なんだろうな

雪白さんは天井を見上げる


「なんで、僕はダメなんだよ」

ダメって何がだろう


ピンポーン


チャイム音が鳴る


「やっと、来た」

嬉しそうに玄関へ向かう雪白さん