待たせるの悪いから、急いで決めよう


でも、どれも可愛い


悩んだ末


「これ可愛い」

私の手には白のオフショルダーとズボンのセット


「僕はこっちの黒の方が好みなんだけど」

その声に、反射的に振り返る


手を振るその人…見覚えがあるような


この声もしかして…


「ゆ、雪白さん?」


「正解。姫ちゃん」

写真の面影がある


それより


「な、何の用ですか?」


「何の用って、忠告と話してみたかったからだよー」

…っ

早く琉唯くんの所に行かないといけないのは頭では分かっているのに


皆が隠していることが、知れるかもしれないと思うと足が動かない


「何で、頼くん達を襲ったの」


「あはは、言ったでしょ、姫ちゃんがいるからだよ。僕は君が琉生の姫とか絶対認めないから」

さっきまでとは違う低い声の雪白さん


恐怖と敵意を感じる


「怖がらないでよー。姫ちゃんが、蘭流抜けてくれれば誰も怪我しないし、蘭流を潰したりしないよ」

つぶ、す?そんな…


「蘭流はナンバー1の族…」


「そーそー、でも僕はヤクザと繋がりあるんだ。言ってる意味わかるよね?」

ヤクザって、あの…頭が追いつかない


「まぁ、僕優しいから時間あげるよ。その水着、海行くんでしょ?その日に僕に着いてくるか、敵に回して蘭流が潰れるの見るか。選んでねー」

それともう1つ


君は蘭流のお荷物ちゃんだから


君のせいで『また』傷つく人が出るかもね


よーく考えてね


この話は僕達だけの ひ み つ


そう言って、去っていった


それから、何もなかったように振舞い、みんなで倉庫に戻った