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「あれ、この雑誌どうしたの?」

「あ、それは……」


それから無事(?)ごはんを食べ終わった私たちは、ソファーに座ってTVを見ていた。


「やっぱ胡桃の手作り最高」


デザートのアイスもめちゃくちゃ喜んで食べてくれてる。

もちろん、最初の一口はアーン、させられたけど。

人にごはん作って喜んでもらえるのって、ほんとうに嬉しい。


「あーちゃんとショッピングモール行って、そのときにもらったの」


「へえ、天草と……。
ね、これと実物どっちがかっこいい?」


「え、なに……って、わあぁぁ!?」


「なんで閉じんの」


「遥こそ、なんで開いてるの!?」


そのシャツはだけ祭り(?)開くのやめて!


「本人がそばにいるんだから、雑誌じゃなくて俺のこと見てほしいなって」


「っ〜!!」


写真は遥本人なのに、こだわるとこ、そこなの?


コテンと首をかたげて、ペロリと最後のアイスをなめる遥。


じっとこっちを見る瞳は、俺だよな?と言わんばかり。


ううっ……なんなのその色気。


実物のほうが、比にならないほどかっこいいにきまってるのに。


「な、どうなの?」


「っ、近いって!
あっ、ね、ねえ、遥!」


「話変えんな。
なに」


「は、遥って、甘利くんと仲良いの?」


だってあまりに遥が色っぽいから見てられなくて。

話題を変えるしかなかった。


瞬間。


「……は?」


その口から、ポロッとアイスの棒が落ちた。