坂「はい、あーん。」


真湖は一向に口を開けようとしない。


「真湖、あーんだって。」


俺が声をかけると、少し口元が緩んだ。


その隙を逃さず、理玖が少し無理やりこじ開ける。


坂「ちょっと触るよ〜。ここ、ガーゼ置くね。」


麻酔の前に、表面麻酔をしてくれたらしい。


真「グスッ…」


「ガーゼ置いただけ。痛くないだろ?」


真「なんでガーゼ置いたんですか!診るだけって言ったじゃないですか!!」


坂「ごめんごめん、しっかり観察するためにガーゼで水分吸収してるだけだから!!」


真湖の警戒心が凄すぎるのと、理玖のよく分からない言い訳が面白くて、ついニヤけてしまう。