それはもう、文字通りに。

伊月くんがその声で私を呼ぶだけで、そのたびに動悸がおかしくなる。

何か、特殊な周波数が流れているとしか思えない。


「……真桜ってさ、そういうの、どういうつもりで言ってんの?」

「え?」


視線が重なる。

伊月くんが手を伸ばして、私の頬に触れる。

……直前。


「チャイム鳴ったわよ。教室戻りなさい」

「!!」

教室の前扉から、女性教諭に注意をされた。

しかも、今井先生だった。


「はっ、はい、ごめんなさい!」

私は逃げるように教室に入り、伊月くんは今井先生を睨みながらゆっくりと。


び……びっくりした……!

今のは、声以外も心臓に悪かった!