成美ちゃんもここにいることだし、大人しく自分の席に着いていることにする。

延藤くんの彼女ということになってから、成美ちゃん以外のクラスメイト……特に女子からは、いい視線を向けられることもなかったのだけど、最近ではそれも落ち着きを見せ始めた。


と、いうのも……。


「最初はさぁ、なんでいきなりコウに彼女が出来んのって思ったけど、蕪木さんがそこにいるのも、ちょっと慣れてきたよね」


延藤くんのそばにやってきたクラスメイトの女子が、諦めたように息を吐く。


はじめは、どうせすぐに別れると思われていた私たちは、思ったより順調に見えるらしい。

そういうこともあって、人気者の延藤くんの彼女ポジションに、ぽっと出の私が収まることに周りが慣れたらしく、私へ嫌がらせをしたところで意味がないと気づいたらしい。