……なんて、幸せ気分も(つか)の間。


「おかえりー、真桜ちゃん」

「……」

「俺を見るなり、すごい顔するね。彼氏と会ったんだから、嬉しそうな顔しなよ」

「……ごめんなさい」


教室に戻り、隣の席に延藤くんの姿を見つけるやいなや、私はきっとすごく嫌そうな表情をしてしまったのだと思う。

それについては、確かに私が、人間としてアウトだったのだろうけど。


伊月くんとの時間がとても幸せだったから、現実に引き戻されて、落差がすごい。


私、延藤くんの彼女なんだよなぁ……。