これってもしかして、昼休みの屋上なら、ふたりきりになれる……?


「あの……、伊月くん、明日も……明日からも、私、ここに来てもいい?」

「もちろん」

「! 本当!? よかった! ありがとうっ……!」

「別に、そんな喜ぶことでもないだろ」


私が満面の笑みでいるからなのか、伊月くんはつられたように笑う。


「嬉しい。明日から、誰にも見つからないようにここに来るね。それじゃあ私、先に行くね」


浮き足立っているのが、明らかに見て取れたのか、屋上を出る間際、背中から吹き出す声が聞こえた。


もう、伊月くんとは話が出来ないと思っていた。

よかった……!