ドキドキと騒がしい胸の音を聞いて、自然と頭が下がって、視線が床に向く。

だけど、ため息を漏らしながらも、成美ちゃんの答えは、意外なものだった。


「うーん……。分かった。真桜がそう言うなら、仕方ないかな」

「えっ……」


てっきり、呆れられるか、怒られるかするかと思っていた。


だって私は、なんの理由も説明しないで、好きな人とは別の人と付き合い始めたと、言っただけ。

そんなの、誰が聞いたって、いい気はしないはず。