「何!? どういうこと!? 真桜がなんで延藤なんかと付き合ってることになってんの!?」

「な、成美ちゃん、声……」

「意味分かんない! ありえないでしょ!? だって真桜は伊月──」

「なっ、成美ちゃん……!」

「むぐっ」


端のほうだとはいえ、生徒がたくさんいる廊下で、大声で叫ぶ成美ちゃんの口を、慌てて両手で押さえる。


危なかった。

不特定多数の人たちの前で、伊月くんを好きなことをバラされるところだった。