「しょーがないなぁ、ほら、兄に話してみなさーい」
「えー、大丈夫」
「……話せよ」
私のとなりに座った瑠海にぃは、むいーっと頬を摘まんで睨み付けてくる
悪魔みたいな顔してるよ……
小さい頃から、私達二人は母に似てそっくりだと言われてきたけれど……
この顔ばかりは似たくないなぁ
「だって、瑠海にぃ彼女いたことないじゃん!!」
「そ、それとこれとは別の話だし!ほら、男心はわかる訳だし?」
「湊先輩の澄んだ心と瑠海にぃの荒んだ心を一緒にしないでよ!」
「この口縫い付けるぞ」
片手で私の頬を摘まむとカメラを向けて写真に納められた
「ちょ、なんで、こんな顔撮るのさ」
「いやー、この写真どんなことに使おっかな」
「……ちょっと」
「嫌だったら話せよー、ほーら、愛しの湊先輩に送っちゃうぞ?」
「い、いつの間に連絡先交換したの!!」
私だってなかなかしてもらえなかったのに!!
湊先輩も兄の魅力にやられたのか……
私が瑠海にぃをどんなに睨み付けて抵抗しても離してくれる様子がないので、白状する
「ふーん、別れちゃえば?」
「なんってことを!!言うの!!」
なんてことないような顔でサラリと言ったよ、この人
なんなら、若干嬉しそうだし!
ひ、酷い……
やっぱり相談しなきゃ良かった!