「そ、そうなんですね!……えっと、制服!!格好いいですね!先輩、着せられてる感、否めないですが…!」
「羽華?なに、その空元気…」
「いつも通り運行中ですよ!あ、瑠海にぃ、私これにする!」
「九条湊、俺とコイツはこれで頼むわ」
「………わかりました、待ってて」
先輩は、何か不思議そうな顔をしてたけれど、瑠海にぃに睨まれてしまったからか、ヒロの事を一度チラリと見てから、行ってしまった
カウンターに入って、注文したものを作り始めた先輩から目を反らして、不安な気持ちを、誰にもバレないようにうつむいてスマホをいじる
ねぇ、先輩
先輩が考えてること知りたいんだよ
全部、なんて欲張りなこと言わないから
共有できることはしたいんだよ?
バイトぐらい、教えてくれてもよかったんじゃないの?
………ワガママ
わかってるけど、溢れてくる不安な気持ちは止まらなくて
せっかく先輩が作ってくれた、正確には盛り付けただけど、ガトーショコラもぜんぜん味がしなかった