家に入る事も出来ないのであれば 着替える服や、靴もない。 「ーっく。」 静かに涙の粒が流れる。 とにかく…ここから出なくちゃ。 でも、どこへー? お財布に入っているのは 恐らくもう使えないだろうクレジットカードが1枚のみ。 そうだ。父の会社に行ってみよう。 本当なのかどうかそれを見るまでは 信じられない。 私は父の会社を目指して走り出した。