窓際の一番後ろ、一人でいるにはもってこいの席。
静かに腰掛けて、窓の外を眺める私にかかる声はない。
おはようも、昨日観たテレビ番組の話も、課題のノートの貸し借りも、何もかも、私にはない。
東雲樹
この春高校2年生になったばかりの17歳。
私はいわゆる、ぼっちというやつだ。
登校から下校まで、とにかく一人。
なにかと集団生活を強いられる高校という場所に通うにあたって、苦じゃないかと聞かれればすんなり首を縦に振るのは難しいけれど、大丈夫。
1年の2学期あたりからこのスタイルだから、もう今更気にはならない。