できれば、これ以上踏み込んで欲しくない。




色々の中身を知りたそうな小松くんに、シャットアウトの意味を込めて笑顔を向けた。




知りたければそこら辺の女子に聞けばすぐ分かることだし、小松くんは女友達も多いからわざわざ私が話す必要も無い。




まだ何か言いたげな小松くんから逃げるようにして一足先に入った視聴覚室には、もう既に生徒が集まっていた。




私たち2年C組の席は……中央の2列目か。




「はい」



「あ、ありがとう」




教卓の上に用意されていたプリントを2枚とって、そのうち1枚を小松くんに回す。



2人並んで指定の席に腰かければ、やっと覚悟が決まってきた。