「あ?これは何だって、聞いてんだよ」

今度は私の上にしゃがみ込んで、首元を掴む。

同じ男の人なのに、どうしてこの人と律さんの目の色はこんなにも違うんだろう。

いつも私に向けられていた、恐怖しか感じない、目。

やっと逃げられたと思ったのに。

結局、私の人生は変わらないのだろうか。

私が悪いから、全部全部、私が悪いから。

考え方とか、やりたいこととか、性格とか。

この人に合わせられない、私が悪いから。

「矯正」してやってんだよ。

毎日のように言われていたなぁ。

「…もう1回だけ、聞いてやる。これは、なんだ?」

深く、黒い目。

吸い込まれそうになる。

深い恐怖に、絶望に