「お前、どんだけ探したと思ってんだよ」

低くつぶやかれた声色、長身の顔は廊下の電灯に後ろから照らされて、暗い。

いきなり掴まれた手首、

「ーーっッ!!」

声にならない声は、掴まれた手首の痛さと火傷しそうに熱い、体温のせい。

そのまま突き飛ばされて、玄関に倒れ込んだ。

「これは、何だ」

倒れた私の上に仁王立ちになって、薄い紙を突き出した。

その目の色は、鋭く冷たい、深い黒。

あまりの恐怖に、固まる体、出ない声。