「…あ、林檎!あれ、律さんですよね?」

あの位置から見る、赤いチューリップすごくキレイでした!!

思わず、携帯の画面を律さんに見せた。

「…あなたは、キレイなものをキレイだと思う感性が、鋭いんですねぇ」

少し、目を細めてそんな風に私を眺めた律さん。

「例えばね?自分がキレイだと思うものが、誰かに共感してもらえるとは限らないし、本当にキレイだなぁ。って思っていたとしても、それを素直に表現出来ないひともいる。あなたはとても、素直なひとですねぇ」

夕焼けをバックにそんな風に微笑んだ律さんは、とてもキレイで。

一瞬、時が止まった気がした、あたたかなオレンジ色に包まれて。

それは、心地良くもあり、キレイ過ぎて少し、怖い。