慈恩はそう言って、プリントアウトしたA4サイズの資料を皆に配る。
その内容は、美容ローションやオイルやそれに新鮮な紅葉?の調合の仕方が箇条書きで書いてある。

「全部ここにあるものだろ?
4、5分もあれば作れるものらしい」

「でも、そんな不確かなものをお客様に出すのは…」

鰺坂さんの言う事はもっともだ。
私はその資料を見ながら、二人のやり取りに耳を傾けている。

「今から新鮮なものを作って、このパックの効用を確かめたい。
それを見てから、提供するかを考える」

そうだよね~~なんて呑気に構えていたら、唱馬が私の腕を掴んだ。
私が驚いて唱馬を見ると、唱馬は慈恩をジッと見ている。

「という事で、高梨さん、ちょっとこのパックを試してみてほしい」

「え? 私が、ですか?」