対象者の写真と経歴、住所やメモなどあらゆる情報が書かれていて、フロント企業や二次団体の事を考えると何年かかるか分からないような捜査に頭を抱えそうになる
わかってはいたけど、組織がデカイ分人が多い
「今回の潜入が違法捜査なのはわかってるはずです
所属を本日付けで公安部へ異動し、任務終了後に無試験で警部へ昇格になります
この話は、受けなくても構いません
キャリアの警官を失うのが惜しい、というのは上の考えと同じです
それでも僕が夏綺を推薦したのは、敵討ちをしたいと思っていると思ったからです
裏切る可能性が限りなく低い上に、任務遂行の適切な判断ができる、そんな人間は少ないんですよ」
「受けます
受けない理由なんて、僕にはないですから」
「そう言ってくれると思ったよ夏綺
君の新しい戸籍がこれです、18まで施設で育っていることになっています」
封筒の一番下の書類を引き抜いて、俺の方に見せてくる