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【人間界】


白蘭の様子が近頃おかしい。


一人で薬を売りに行きたがり、今日は足を怪我して帰ってきた。


帰ってきてからも浮かない顔ばかりだ。


初めは足を怪我したからだと思っていたが、この高価な黒い布を見てわかった。


紅蓮だ。


また、あの男が白蘭に近づいたのだ。


白蘭が寝た後、私は外で黒服を燃やした。


上質な衣は月影が見つめる中、静かに灰になる。


やっと私と白蘭の想いが通じ合えたというのに邪魔をする気なのか。


白蘭は私の物なのだ。


「月影様」

「兎月か」


兎月がこっちにくるということは天界で何かあったのだ。


「その…月影様が記憶水晶の間に入ったことで天帝と天后が月影様をお呼びです」

「…面倒だ」

「しかし…」

「放っておけ」