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【魔界】



今日も朱雀は白蘭の死の不審点を探っていた。


消えた薬師神…忘却湖の衛兵達…。


術が掛かった強い匂いの香…焼けた神籍簿…。


考えれば考えるほど謎は増すが明らかに思い違いではない。


そして先日、白蘭の身の回りの世話をしていた侍女達に話を聞きに行ったところ半数以上が行方不明で残っているものも魔宮を追い出された挙句、舌を切り取られていた。


誰かが口封じした証拠だ。


白蘭は死ぬ前に誰かに害されたのだ。


いったい誰が…。


魔帝はこのような小さなことは動かないだろうし、魔后は直接手を下さないはず。



となると、怪しいのは一人しかいない…。



玲心だ。