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【魔界】


白蘭と再会を果たしてから、紅蓮の心は再び色を取り戻していたが月影に責められたことにより以前よりも傷ついていた。


『「記憶には一族を残虐され孤独の中耐える白蘭がいた。そして病に苦しみ死期が迫ると独りで忘却湖に飛び込むことを選んだ」』


『「人間界で運よく見つけられたが出会った時、白蘭は血まみれで羽も無く虫の息だった…。人間の姿になり治るのに何年かかったか、お前にわかるか?」』


『「三年眠り続けた。目覚めるのに三年もかかったんだ。その間、お前は一度も現れず何も知らずに暮らしていたんだろう…白蘭が死んだのはお前のせいだ」』



月影に言われたことが頭をグルグルと回った。


この数年の間、白蘭はどのような思いで忘却湖に入ったのか考え、そのたびに雪梨の「楽になれた」というのを信じてきた。


だが、白蘭は自死を選ぶほど苦しんだのだ。


私は何もわかっていなかった。