「さぁさぁ来ましたよついにこの日が…“ヴァ”レンタイン!」




いや、大して発音上手くねーし。

しかもキモイ。




「朝からうっせー」




登校してきたと思えば俺のところに駆け寄ってきた隼人。


朝からほんと鬱陶しい。



こいつには落ち着きというものがないんだと思う。



てかバレンタインのことつい昨日話してたばっかだし。




「乃亜クンこそ朝からそんな冷たくすんじゃねーよ!」



「…お前がクン付で呼ぶと気持ち悪い」



「っは?!言ったそばから酷いやつ〜」



「だからうっせーって」



「まぁまぁそれは置いといて…」




置くんかよ。




「なんだよ」



「だ・か・ら・今日は!
ハッピーバレンタインデーだろ?」



「…知ってるけど」



「おう?乃亜クンがバレンタインに興味を持った?!
あんなにいつもは興味なくてバレンタインの日さえ把握してなかったくせにな〜」